未来の農業を支えるアグリテック

技術

最近では農業にも技術が関わってきています。

今回はアグリテックについてお話したいと思います。

Agri Techの意味とは

「アグリテック(Agri Tech)」は、農業を意味する「Agriculture」と、技術を意味する「Technology」を組み合わせて作られた造語です。
直訳すれば「農業技術」となりますが、この場合の「Technology」は主に「情報技術などの最新テクノロジー」を指しており、「ITなどを導入して行われる農業」といった意味になります。

日本の農業は高齢化などさまざまな問題を抱えていますが、「アグリテック」は最新テクノロジーを導入することで、こうした問題を解決しようという狙いがあります。具体的には、農業の効率化と熟練農家のノウハウの可視化・分析、農業従事者の働き方改善などの促進を目指した活動が行われています。

アグリテックの主な技術

IoT

IoT」とは「Internet of Things」を略した言葉で、「モノのインターネット」と訳されます。文字通り、さまざまな製品とインターネットを接続する技術を指し、ネットワークを通じた相互間の情報収集などを可能にします。
アグリテックにおけるIoT活用の例としては、生産物や農機にセンサーを取り付けて、環境データなどを取得することで農場管理に役立てるといったものがあります。例えば山梨県のあるワイナリーでは、園内に温度・湿度センサーを取りつけ、10分間隔で気象データを取得することで、品質管理に役立てています。

AI(人工知能)

AI(人工知能)もまた、アグリテックではよく使われる技術です。近年はさまざまな製品にAIが搭載されるようになっていますが、アグリテックでは、主な例としてAIを搭載したカメラなどがあります。こうしたカメラを取りつけることで、広大な農場をいちいち見回らなくても、タブレット端末で簡単に作物の成育状況をチェックすることができます。
また、AIによる農業支援システムというものもあり、これを使用すれば、人工衛星からの気象データに基づき農業に適した土地を見つけることが可能となります。

ドローン

アグリテックにおいては、ドローンの利用も進んでいます。ドローンは、遠隔操作や自動操縦が可能な無人航空機のことで、最近はさまざまな場面でよく見かけるようになりました。
農業におけるドローン技術の活用法としては、大規模農地に種子や肥料、農薬を散布したり、搭載したカメラで作物の成育状況をチェックするといったことなどがあります。農業用ドローンの普及率は、平成29年3月から平成30年末にかけて約6倍に増えるなど、急速に浸透しつつあります。

ブロックチェーン

ブロックチェーンは、ビットコインなど暗号資産の土台としてよく知られる技術です。ネットワーク上の複数のコンピューターをつなぎ、データのやり取りを処理・記録するシステムで、「データの改ざんが難しい」「システムダウンが起こりにくい」などの特徴を持ちます。
アグリテックにおいてこの技術が活用できる分野が、安全なサプライチェーンの構築です。農作物のサプライチェーンは複雑化の問題を抱えていますが、ブロックチェーンを応用することでこれが一元化され、食の安全についての透明性が確保できると期待されています。

植物工場

アグリテックで注目を集める技術に、「植物工場」というものもあります。植物工場とは、人工光や太陽光の人為的な制御により、高品質の植物を安定的に栽培する施設のことです。光だけに限らず、温度や湿度、CO2濃度、空気の流れといった、作物の育成に不可欠な要素すべてについての管理・調整も行います。閉鎖的な空間で作物を育てることから、害虫や荒天といった要因に影響を受けず、しかも無農薬で栽培が可能という利点があります。

アグリテックが注目される理由

農業従事者の減少・高齢化

アグリテックが注目されている大きな理由の1つが、「農業従事者の不足」です。2015年における日本の農業就業人口は、210万人となっています。一方、1995年時点では414万人でした。つまり、20年間でほぼ半減した計算になります。また、2020年の基幹農業従事者(主な仕事が農業の人)の数は136万人でしたが、これはその5年前の時点に比べて、約40万人少ない数字です。さらに農業従事者の高齢化も深刻で、2019年の平均年齢は66.8歳となっており、しかも65歳以上の占める割合は、全体の68%にも達します。

異常気象による不作

アグリテックが求められるのには、「異常気象による農作物の不作という問題も関係しています。近年は地球温暖化などの影響もあり、世界各地で異常気象が頻発しています。海面温度の上昇により、台風やハリケーンの規模は巨大化し、被害が拡大する傾向が強まりました。また、猛暑や冷夏、多雨、少雨といった異変も、毎年のように起こっています。

農業は気候の影響を直接受ける仕事です。このまま長雨や低温などの問題が続けば、将来的な食料事情に深刻なダメージが生じかねません。
実際に、近年の異常気象による農業被害額は、増加の一途を辿っています。アグリテックによる農業技術の革新は、こうした異常気象による影響を緩和させる上でも役立つと期待されています。

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