OPECとは何か?

経済

今回はOPEC(石油輸出国機構)について話したいと思います。

OPECとは?

「OPEC」とは、英語の「Organization of the Petroleum Exporting Countries」の頭文字を取った略称で、日本語では「石油輸出国機構」と呼ばれます。読み方は、「オペック」です。

1960年に設立された団体で、名前の通り石油を輸出する国が集まって出来ており、これらの国々の利益を守ることを主な目的としています。当初はイランやイラクなど5ヵ国の加盟のみでしたが、今では13ヵ国が加盟しています。本部は、オーストリアの首都ウィーンにあります。

毎年6月と12月に全加盟国による総会が開かれ、原油生産量や、価格の調整が話し合われます。

OPECの目的

OPEC設立の主な目的は、石油輸出国の利益を守ることですが、具体的な目的は3つに分けられます。

1つは、「生産割当量を決めて加盟国の原油生産量を調整し、原油価格を安定させる」ということです。供給量を管理することで、世界市場の原油価格への影響力を強めようという狙いがあります。

2つの目的は、「原油の生産と供給がなるべく加盟国の利益となるよう、原油価格の乱高下を抑える」というものです。これは、OPECに加盟しない石油輸出国との競争を避けるなどの意味合いがあります。

そして3つ目の目的は、「原油の供給しすぎや不足に対処するため、供給量を調整する」というものです。このことにより、世界市場での原油価格の変動を抑える狙いがあります。

歴史

OPEC設立の背景には、「国際石油資本(メジャーズ)」と呼ばれる欧米勢力の存在があります。メジャーズは、OPEC設立前の世界の石油資源や石油市場を独占していましたが、1959年と1960年の2度にわたり、勝手に中東の原油価格を引き下げるという事件を起こします。これに対し産油国であるイランやイラクなどは、メジャーズに対抗するため、1960年9月にOPECを起こしました。

OPECはその後、国際石油市場において徐々に存在感を強めていきます。そして1973年の第4次中東戦争勃発時には、停戦を優位に進める目的で原油価格を大幅に引き上げたことで、世界中に大きな影響を与えました(オイルショック)。その結果、OPECは世界の石油市場における地位を確立することとなりましたが、現在は価格決定権が市場メカニズムに移ったことなどにより、その相対的な影響力は低下しています。

現在の加盟国

いくつかの加盟国を紹介したいと思います

イラク

イラクは、OPECの初期加盟国のうちの一国です。原油埋蔵量は、世界3位を誇っています。一時期はサウジアラビアに次ぐ世界2位の石油輸出国でしたが、イラン・イラク戦争などを経て生産量は減少しており、現在の輸出は、イラン・イラク戦争前の3/4にとどまっています。

イラン

イランもまた、OPECの初期加盟国にあたります。OPEC中2位の石油生産国で、石油埋蔵量は世界の10%を占めています。経済は石油に依存していますが、近年は収益を自動車産業や航空宇宙産業などに振り分けて投資しており、経済の多角化を進めています。

クウェート

クウェートも、OPECの最初の加盟国の1つです。主要産業はやはり石油で、世界4位の埋蔵量を誇り、2016年の生産量は1日300万バレルを超えています。豊富なオイルマネーのおかげで、国民のほとんどが国家公務員または国営企業の社員となっています。

サウジアラビア

サウジアラビアもOPEC最初の加盟国の1つです。石油埋蔵量は世界2位と膨大で、世界中に原油の輸出を行っています。またOPECのリーダー的な存在として、原油生産量の決定などに大きな影響力を持つことでも知られています。

他の加盟国

ベネズエラ
リビア
アラブ首長国連邦
アルジェリア
ナイジェリア
アンゴラ
ガボン
赤道ギニア
コンゴ共和国

まとめ

  • OPECは石油輸出トップの国が加盟している組織である
  • OPECでは、石油の生産や価格の調整を話し合います
  • 多くの加盟国は中東やアフリカの国々です。

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