今回は地球を破壊していく地球温暖化の影響についてお話したいと思います。
海面上昇
この現象の直接の原因は、海面温度の上昇による膨張と、氷河の融解とされています。そして、それらを引き起こしているのは地球温暖化であるというのが通説です。
1901年から2010年までの約100年間で、海面は19cmほど上昇しており、このままいけば21世紀中に最大で82cm上昇すると言われています。
近年フィジー諸島共和国やツバル、マーシャル諸島共和国といった海抜の低い国々では、高潮による被害が拡大し、満潮で海水が住宅などに入り込むなどの事態も起きています。
また、井戸や田畑に海水が入り込むことで、飲み水が塩水になったり、作物が育たないなどの影響も見られます。
種の絶滅
地球温暖化は、生物にも大きな影響を与え、地球に住む生命のうち、多くの種が絶滅したり、生態系が変化すると予測されています。
IUCN(国際自然保護連合)が2017年に発表した「レッドリスト(絶滅のおそれのある種のリスト)」によると、地球温暖化を主な原因として絶滅の危機に瀕している野生生物は、ホッキョクグマなどを含め1,750種以上にのぼるとのことです。
これは、温暖化で急激に気候や環境が変化し、多くの種がそれに対応できないことによります。
海洋生物の絶滅
地球温暖化による影響を受けるのは、陸地の動物ばかりではありません。海に住む生物も同様です。温暖化は、気温と同時に海水温も上昇させますが、海の多くの生物は、その温度変化に大きな影響を受けます。
特に影響が大きいのがサンゴで、水温の変化に弱いことから、地域的に死滅する可能性が高いとされています。
また、増加した空気中の二酸化炭素が海に吸収されることで、海水の酸性化が進んでいきますが、これは植物プランクトンなどの海洋生態系の基盤を担う生物に、大きな打撃を与えると見られています。
異常気象
近年、大型台風や巨大ハリケーンの発生がニュースでよく聞かれるようになりました。2019年には、日本でも令和元年には台風15号や19号が各地に大きな被害をもたらし、ハリケーン「ドリアン」はバハマに壊滅的な被害を与えています。また、集中豪雨や記録的な猛暑、寒波による被害も、世界中で毎年のように発生しています。
こうした数々の現象もまた、地球温暖化が関係しているとの説がありますが、これについては異論もあります。気候のメカニズムは複雑なため、個々の極端な気象現象のすべてに温暖化が影響しているかどうかは、見極めづらいのが実情です。
森林火災
森林火災自体は古くからから起こっていました。枯れ葉同士の摩擦や落雷などによって自然に火が起こるもので、そうした火災が、返って森林の活性化を促していた面もあります。
しかし、温暖化によって大気の乾燥が進行している現在では、事情はすっかり変化しています。森林火災の発生件数が増えただけでなく、火災自体が長期化するようになりました。
そのために、回復できる限度を超えて被害が拡大してしまい、森林が失われる地域が増える恐れが高まっています。
また、森林火災が増えることで植物中の二酸化炭素の放出が進み、これによって温暖化がますます進行するという悪循環も懸念されています。
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