今回はファブレス経営についてお話したいと思います。
ファブレス経営とは?
「ファブレス経営」の「ファブレス」とは、「工場」を意味する「ファブリケーション(fabrication)」と、「ない」を意味する「レス(less)」を組み合わせて作られた言葉です。
つまり「ファブレス経営」は、「自社では工場などの生産設備を持たず、生産については外部企業に委託するスタイルの経営」といった意味を表すことになります。
ファブレス経営の企業
アップル
世界有数のテクノロジー企業である「Apple」です。Appleは、ファブレス経営の先駆けとして知られています。
MacBookやiPod、iPhoneなどといった数々の先進的な製品を世に送り出してきましたが、それらの製造は外部に委託しており、本社は工場を持ちません。その分のリソースは、一番の強みであるデザインや設計に集中的に投下してきました。
ナイキ
主力商品であるスニーカーやスポーツウェアなどの製造は外部に委託しており、本社では製品デザインや法務・マーケティング、契約工場のコントロールといった事業に注力しています。主な製造場所となっているのは、ベトナムやインドネシアなどのアジア地域で、海外業務委託のコスト削減効果により、高収益を実現しています。
ユニクロ
商品の製造は主に中国に委託しており、その分のリソースは、企画やデザイン、素材調達や販売といった分野に振り向けています。また、商品の品質維持についても力を入れており、委託先の工場への品質管理チームの派遣なども行っています。
任天堂
ゲームや玩具の場合、人気の変動が激しく、あっという間にブームが終わってしまうことも珍しくありません。そのため、常に過剰在庫のリスクを警戒しなくてはならないという問題を抱えています。任天堂の場合、中国を中心として製造を委託することで、生産数の調整などを行っています。仮に製品開発に失敗した場合でも、最小限の痛手で撤退することが可能です。
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