今回は会社が倒産する原因を紹介したいと思います。
販売不振
「会社が倒産する原因」の1つ目は、「販売不振」です。こちらは、倒産原因としてもっとも多いものになります。原因別に取りまとめた近年のデータによると、販売不振による倒産は、全体の約7割もの件数を占めています。
販売不振による倒産は、売上が立たないことにより、資金繰りが苦しくなることで起こります。販売不振の要因にはさまざまなものがありますが、代表的なものでは、「競合他社の出現によるシェアの低下」「風評被害による売上低下」などが挙げられます。
売上高の減少の仕方については、主に2つのケースが考えられます。ゆっくり減少していく場合と、急に減少する場合です。前者の場合は適切な経営指標を用いて早い時期から問題を認識し、対策を取ることが重要になります。後者の場合は、どれだけ迅速で抜本的な事業の見直しができるかが問題となります。
連鎖倒産
続いて紹介する「会社が倒産する原因」は、「連鎖倒産」によるものです。「連鎖倒産」とは、他社の倒産の影響を受けて倒産することを指します。具体的には、取引先の倒産によって不良債権が発生し、その影響で倒産してしまうという状況です。親会社と子会社が連鎖して破たんする場合や、大企業の倒産を受けて、全国規模で下請や取引先が破たんする場合などがあります。
近年は大手企業の破たんが多くなっていますが、そうした企業と傾注取引を行っていた企業は、同時に倒産する確率が高くなっています。一般的には販売先に傾注するケースが多いものの、仕入先の傾注においても、代替企業が見つからない場合、倒産に至るケースもあります。
これらのことからわかるように、「連鎖倒産」を避けるためには、特定の得意先への依存を控えたビジネスの構築が必要となります。
設備投資過大
設備投資は、会社の成長を維持する上で欠かせません。しかし同時に、設備投資は会社の資金繰りを悪化させるという側面があります。これは、設備投資が成功しても失敗しても同様です。なぜならば、設備投資にかかった資金は、ほとんどの場合将来の利益によって回収されるからです。あらかじめ先の利益を見込んだ投資になりますから、一時的な資金繰りの悪化に陥るのはやむを得ません。つまり、実際に利益が上がるまでは、設備投資費の返済に圧迫されるわけです。にもかかわらず過大な設備投資を行うことは、資金繰りをますます圧迫させ、会社を倒産に至らしめる原因となりかねません。
信用性の低下
「信用性の低下」もまた、会社が倒産する原因の1つとなります。言うまでもありませんが、会社は顧客や取引先、銀行といった多くのステークホルダー(利害関係者)とつながっています。その上で、会社にとってもっとも大事な資産の1つとなるのが、「信用」です。この点は個人間の付き合いも同様ですが、相手に対する信用がなければ、つながりを保とうという意識も弱まるでしょう。企業の場合は信用性が低下することにより、顧客離れによる売り上げの低下や、追加融資の取りやめなども起こるようになり、その結果として倒産にいたることも考えられます。
企業が信頼を失うケースはさまざまなですが、目先の利益ばかり考えた経営をしないことが、信用性を維持する上で重要になってきます。
人手不足倒産
人手不足で倒産にまで至る理由としては、マンパワーが足りないために、商品やサービスの供給が滞ってしまうということが挙げられます。どんなに発注が増えても、それを行う人員がいなければ、仕事自体をこなすことができません。当然売り上げも上がらず、経営を圧迫することになります。その結果、最悪の場合倒産にまで至るわけです。また、人手不足で外部の人間に頼った結果、人件費がかさんで倒産に至るケースもあります。
コメント