今回はアメリカの財閥を紹介したいと思います。
アメリカは世界中の富が集まる場所として有名ですが、その莫大な富のほとんどを握っているのは、ごくわずかな家系の人々です。
それらは「財閥」や「財団」と呼ばれ、アメリカはもちろん、世界経済にも大きな影響を及ぼしています。ただ、そうした存在があることは知っていても、具体的にどういうグループがあるのかについては、あまり知らないという人も多いでしょう。
アメリカ三大財閥
ロックフェラー財閥
最初に紹介するのは、「ロックフェラー財閥」です。日本でも知名度の高い財団ですが、アメリカニューヨーク出身(1839年生まれ)のジョン・D・ロックフェラーを創始者としています。
ロックフェラーは、1870年に「スタンダード・オイル・オブ・オハイオ」を創設したのを直接の足がかりに、事業の買収やライバルの切り崩しを進めた結果、やがて偉大の富を築くになります。1913年には「ロックフェラー財団」を設立し、積極的に慈善事業を展開、現在同財団は、慈善団体ランキングで世界最大の規模を誇っています。
メロン財閥
北アイルランド出身のトーマス・メロン(1813年生まれ)が創始者の財閥になります。
起源となったのは、1870年にメロンが不動産事業の利益を元手に設立した「メロン商会」で、南北戦争後の混乱時に銀行を買収するなど規模を拡大、財閥の基礎を作りあげました。その後、メロンの息子や孫らがさらに発展させ、やがてロックフェラー、デュポンと並ぶ「三大財閥」の1つに数えられるまでになります。1969年には、息子アンドリューの資産を元に「アンドリュー・メロン財団」が設立されています。
デュポン財閥
三大財閥の中ではもっとも古い歴史を持つ財閥で、フランス革命から逃れてきたエルテール・イレーネ・デュポン(1771年生まれ)が、デラウェア州ウィルミントンに火薬工場を設立したことに起源が求められます。
その後身にあたるデュポン社は、現在アメリカ最大の総合化学会社に成長しており、デュポン財閥の中核をなしています。そのほかのグループ企業には、特殊化学の「ハーキュリーズ」、銃器製造の「レミントン」、金融機関の「ファースト・シカゴNBD」などがあります。
モルガン財閥
コネチカット州出身のジョン・P・モルガン(1837年生まれ)が創始者になります。
モルガンは、父親がロンドンで起こした会社を受け継ぎ、19世紀末には世界で最大の銀行家として知られるようになりました。その資金力によって、鉄道や鉄鋼業などの事業に進出、財閥としての基盤を固めます。第二次大戦後は政府の反独占政策もあって、財閥としての規模は縮小しますが、現在でも「JPモルガン・チェース」を設立するなど、国際金融財閥として強い影響力を維持し続けています。
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