今回はハイパーカーとして有名なBUGATTIの歴史を見てきたいと思います。
ブガッティの誕生
世界に名だたる自動車メーカー・ブガッティがイタリアにて誕生したのは、1909年のことでした。創始者エットーレ・ブガッティは、若くしてエンジンの設計に携わりさらには自ら会社を設立します。
自動車の設計も手掛け始め、やがて高級市販車とグランプリレースで活躍して知名度を上げていきました。
数々のグランプリで勝利を収めつつも、1930年代後半にさしかかった頃から暗雲が立ち込め始めます。
息子ジャン・ブガッティが車のテスト中に事故死、会社の業績が下向きになり始めたのが原因です。第二次世界大戦により自社工場が壊され、創始者エットーレも1947年に亡くなってしてしまいました。
その後飛行機用のエンジンを細々と造り続けますが、1963年にはイスパノ・スイザ社に、イスパノ・スイザも1968年にスネクマ社に吸収されてしまいます。
このブガッティの飛行機用エンジン事業は、現在でも仏・サフラングループ傘下のメッサー・ブガッティとして、主に航空機用のブレーキやホイールを製造する会社に引き継がれています。
長い歴史を誇るブガッティは、幾度となく経営母体を変えながら現在まで歩んで来ました。
オトモビル・エットーレ・ブガッティの車は自動車レース界で数多くの輝かしい記録を残していますが、かの有名なモナコ・グランプリで第1回から3連覇を達成、タルガ・フローリオで1925年の優勝から5連覇を達成したことなどは伝説となっています。
約20年後の1987年に、イタリアの実業家ロマーノ・アルティオーリがブガッティの商標を手にします。
アルティオーリは80年代末から1990年代前半にかけて、次々と新モデルを発表し順風満帆でした。しかしロータスを1993年に買収するなど投資が大きくなり経営が破綻し、1995年には倒産します。
その後ブガッティの技術者たちが集まり、バガーニ・アウトモビリを設立することなりました。
こうして数十年の時を超えて復活したブガッティの名前は、EB110という唯一の車種を生み出したのみで、またも儚く消えてしまったのでした。
なお現在はブガッティ・オトモビルという名前になり、フランスに本社を置いています。フォルクスワーゲンが1998年に商標権を買い上げて、100%子会社として創業した結果です。
ブガッティ・オトモビルは、それまでのブガッティ車と同様に、または超えるほどに超高性能・超高級で、非常に希少性の高い車の開発・販売にシフトしており、自動車界の頂点とも言われるような車を次々と送り出しています。
ブガッティの代表車
ブガッティタイプ35
タイプ35は、ブガッティ史上において最も成功したとされるレーシングカーのシリーズです。7年間の間にわずか340台しか生産されなかったにも関わらず、非常に高性能で大きな需要がありました。
独創的な設計により、1926年のグランプリをはじめ1,000勝以上もの成績を記録した車です。1924年デビューの初代モデルは、排気量は1991ccのSOHC直列8気筒エンジン搭載でした。
世界初のアルミホイール装備、バネ下重量の軽減や整備性の向上など当時では全てが画期的なモデルです。価格は当時の仕様そのままである1925年製のものであれば、2億円は下らないと言われています。
ブガッティ・EB110
創立者の生誕110年目にあたる1991年に発表されたのが、このブガッティ・EB110です。
排気量は3,499ccで、V型12気筒DOHC60バルブエンジンを搭載しています。1気筒あたりの排気量が少なく、EB110GTでは8,000rpmで最高出力の560PSをたたき出す超高回転型エンジンです。
現在の中古車市場では、なんと4,000から5,000万円という相場価格が出ています。しかし定価が6,300から7,000万円であること、その希少性を考えるとお買い得と言えなくもありません。
ブガッティ・ヴェイロン
ヴェイロンは、ブガッティ・オトモビルが2005年から10年間にわたり製造していたハイパーカーです。
1998年にフォルクスワーゲンによる設立以来、初の市販車であり同グループのフラッグシップ車です。最高速度400km/hを突破した世界初の市販車でもあります。
110年以上にわたる歴史を持つブガッティが放つ、自動車文化の頂点とも言える車とされています。先進的なエアロダイナミクスや油圧システムなど、その高性能ぶりは枚挙に暇がありません。
2005年の生産開始から2015年の生産終了までの間に生産された台数は300台で、日本に割り当てられたのはそのうちの15台のみでした。
正規代理店での当時の定価は、なんと1億6,300万円という破格の値段で販売されています。しかも、ヴェイロンのオーナーとなるにはその金額を支払えるだけではなく、ブガッティ社による審査を通過できる社会的ステータスが必要でした。
ブガッティ・シロン
シロンは、ブガッティ・オトモビルが2016年より限定500台限定でつくっているスーパーカーです。
8リッターW16型クワッドターボというエンジン形式こそヴェイロンと同じであるものの、出力およびトルクの性能は比ではありません。
戦前のブガッティのデザインを踏襲しつつも、最新技術とモダンなデザインを盛り込んでいます。公式の最高速度こそ420km/hですが、技術の進歩によってもっと高負荷に耐えられるタイヤが生まれれば480km/hを超えるのも夢ではないとされる程です。
車体のデザインは目を惹く効果だけでなく、直進安定性など数々の性能の向上に一役買っています。価格は2016年の発表当初で260万USドル、日本円にして2億を上回る金額となっています。
まとめ
- スポーツカー以上の力を持つ車をハイパーカーと呼ぶ
- ブガッティの車は違法になってもおかしくない破壊力を持ってる
- ブガッティは一台数億円するので大富豪しか買えない
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